2017年04月10日

ブラウスと万華鏡・目次

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自作お題による詩作50題。(Banner by クワリフの朝)
*現在進捗:28/50


1.作品#1
2.流転と踏襲と
3.反旗のダンス
4.首塚
5.おかしのいえ
6.贈るのは花でも言葉でもない
7.すべり台
8.馬蹄
9.溺れる
10.チョコレートパフェ

11.秋とキリギリスについて
12.万物の根源
13.瑠璃
14.ブラウスと万華鏡
15.レニングラード
16.赤いトマト
17.
18.泳ぐ
19.未来
20.皇帝の椅子

21.カメラ
22.扉
23.月と独りの誕生日
24.ガイコツ
25.雑踏
26.きりん
27.メリーゴーランド
28.共鳴
29.べっこう細工
30.うつろう

31.祈り
32.タブレット
33.箸
34.靴箱
35.清濁併せ飲む
36.レンガ
37.暗転
38.アシンメトリー
39.しのぶ
40.すべては××のため

41.食う
42.善意と悪意の交錯
43.紅葉の色づく前に
44.冒涜
45.一杯のカプチーノ
46.
47.弧をえがいて
48.あがない
49.枯葉
50.リセット

posted by くまごろう at 17:44| WORDS:ブラウスと万華鏡 | 更新情報をチェックする

わたしはわたしのこともよくわからないけれど
なんだか生きてしまっている
世界のことも宇宙のこともあなたのことも
あまりよく知らないけれど
なんだかそれで満足している

posted by くまごろう at 17:43| WORDS:ブラウスと万華鏡 | 更新情報をチェックする

2016年09月29日

チョコレートパフェ

なんでも好きなものを頼みなさい

あなたはそう言うけれど
ここには好きなものがない
ほんとうはあなたの作るきつねうどんが食べたいけれど
子どもが欲しがるとおとなが安心するものにした

ふわふわホイップ
さくさくウエハース
ひんやりバニラアイス
どろりチョコレートソース

おいしい?
うん
そう

眼差しは遠い
わたしたちのあいだには煙草のけむりが広がって
すこしの繋がりもない息を吸って生きている

アイスもホイップもガラスの器もスプーンも
わたしのベロもおなかのなかも指先まで
なにもかもが冷たくて
白と黒の混ざりあった物体が
とても憎くはあったけど
わたしには食べ続けるしかできないし
あなたはいつまでもわたしに気づかない

おいしい?
うん
そう

そのやりとりを繰り返して
それだけにすがりついて

posted by くまごろう at 17:24| WORDS:ブラウスと万華鏡 | 更新情報をチェックする

2016年09月13日

靴箱

見慣れない小さな靴
ベッドの隙間に並べながら
これはどうしたの とたずねてみる

それはね もらったの
だれに?

しばらくこちらを睨みつけて

もらったの

そう繰り返したきり
あなたは毛布にくるまった

玄関にまで溢れかえっていたのに
いまはもう5足だけ
それでも新しい靴箱は
不思議とカラフルでにぎやか

posted by くまごろう at 22:10| WORDS:ブラウスと万華鏡 | 更新情報をチェックする

2016年08月12日

あがない

ビニールのひさしのふち
ゆるやかな川面
自動車のフロントガラス
空のいちばん高いところ

プールに飛び込む
花火を見上げる
木立ちの蝉時雨
突然の雷雨

ときおり消える光と音
火照った肌を汗が伝うとき明確な指が触れている

夏に死んだのは僕のほうだった

posted by くまごろう at 11:39| WORDS:ブラウスと万華鏡 | 更新情報をチェックする

2016年06月13日

雑踏

深い夜の底にいる
昨日がいつ訪れて
明日がどこへ過ぎゆくか
切り離されたやわらかな夜にいる

住み慣れたはずの街の景色が
まばたきするたび違って見える
アスファルトは新雪
踏み出せばもう帰れない

それでもやがて朝がきたなら
わたしはここから苦もなく未練もなく這いでて
生きている人のふりをして歩く
夜が恋しいのは
わたしだけじゃないと知っているから
息をわけあえる

posted by くまごろう at 16:09| WORDS:ブラウスと万華鏡 | 更新情報をチェックする

2016年05月08日

皇帝の椅子

いつかこの10秒を思い出して
ぼくはきっと泣くのだろう
そのときにはもうぼくはひとりで
身軽で薄っぺらで
雪どけのぬかるむ風が首すじに
あなたの指を残すのだろう


posted by くまごろう at 11:06| WORDS:ブラウスと万華鏡 | 更新情報をチェックする

2016年04月05日

作品#1

うれしいも 悲しいも どちらでもよかった
いとしいと 厭わしいの どちらでもあった

はじまりに聞いた ほんの小さな音だけ
それだけがわたしには救いだった
それだけがもう一度欲しかった

グラウンドでは少年たちが野球をし
少女たちが軽やかに自転車で駆け
おとなたちは労働に汗を流していた

あなたはそれを知らないままに
目を閉ざして じっといのちをこらえていた
わたしが愛するものもきっと知らない
あの音はもう聞こえない


posted by くまごろう at 19:30| WORDS:ブラウスと万華鏡 | 更新情報をチェックする

2016年03月06日

一杯のカプチーノ

かなしい かなしい と
羽音がする

ほこりほどの小さな虫では
部屋を横切るのも難儀のようで
ときおり深く空気に溺れる

くるしい くるしい と
助けを求めることはしないで
思い出したようにふとまた浮き上がる
なんのためにと問うこともしない

羽虫は飛んで
どこかへ消える

わたしは一杯のカプチーノのために
今日もはたらいている

posted by くまごろう at 14:20| WORDS:ブラウスと万華鏡 | 更新情報をチェックする

2016年02月26日

暗転

あなたがあなたを放棄して
まだらになった

あなたからはわたしが見えない
わたしからはどこも見ようとしないあなたが見える

みずからの不明を嘆くこともない
ひとりにしないでと
かつて人であった部分が自動音声のように繰り返す

信じていたわけではない
ましてや愛していたはずもない
苛立ちすら疲れ果て
憐みなどとっくに擦り切れた

水のなかのようなあなたの胎内から一歩でる
大きく息を吸ったそのあと

わたしは足元の奈落に気づかない


(2016/2/5~2016/2/26 WEB CLAP)
posted by くまごろう at 19:04| WORDS:ブラウスと万華鏡 | 更新情報をチェックする
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